2022年は金の売却タイミングとしてベストか?
※この記事は2022年4月20日に更新しました。
ウクライナ情勢を原因とし、安全資産である金への需要が急上昇しています。
そしてついに、金の小売価格が史上最高額となる1g9,000円を記録する勢いとなりました。
インゴットや宝飾品の買取専門店でも、客足が例年の1.3〜1.5倍に増えているそうです。
インゴットの分割・売却を検討中の方にとっては、今は好機と言えますので、
貴金属業者についてはメリット・デメリットを考慮し比較検討してみてください。
そこで、これまでの情報を整理し、「金」の分割加工や売却を検討している方へ向けて、
「2021年度は金を分割・売却すべきか?」という点を明らかにしたいと思います。
当ページでは、
「1: 2019年度金相場の振り返り」
「2: 2020年度は金の売り時か?」
「3: インゴットの売却に備える!」
といった3部構成で解説します。
:目次:
1: 2019年度金相場の振り返り
1.1 2019年度の金価格推移
1.2 過去5年間の金価格推移
1.3 金価格上昇の3つの要因
理由@:世界経済の不安定化
理由A:国際関係の緊張
理由B:国政の不安定化
2: 2020年度は金の売り時か?
2.1 2020年度はベターな売却タイミング
理由@:40年ぶりの高値
理由A:増税に伴う売却額UP
理由B:買取業者の成熟
2.2 インゴット売却を検討中の方
2.3 18金ジュエリー売却を検討中の方
3: インゴットの売却に備える!
3.1 インゴットの分割は早めに行う
3.2 田中貴金属では分割できない!
4: まとめ
【関連】 田中貴金属以外の分割業者は?
1: 2019年度金相場の振り返り
まずは、「2019年度の金価格推移」について改めて確認します。
1.1 2019年度の金価格推移
上記のグラフは、2019年度の各月における金地金販売価格(出典:第一商品)の
推移です。グラフから分かる通り、2019年1月時点では1g5,000円を下回っていましたが、
7月頃を境に上昇を続け、10月には1g5,500円を上回りました。
そして、年が明け2020年1月8日についに1g6,000円の壁を超える結果となりました。
この状況は、金相場としては約40年ぶりの歴史的高価格水準といえます。
専門家の間で「いづれ1g6,000円を超えるだろう」という予測は確かにありましたが、
こんなにも早く、予測が現実のものとなるとは誰が予想したでしょうか。
1.2 過去5年間の金価格推移
2015年〜2020年に至る迄の金価格の推移を確認すると、おおよそ5,000円付近を
境として変動していましたが、5,500円の壁を突破することは基本ありませんでした。
しかし、2019年後半に入り、ようやく5,500円に到達し高水準を維持しています。
1.3 金価格上昇の3つの要因
金価格が上昇している背景には、いくつか要因がありますが、
ここでは、大きな要因を3つほどピックアップします。
理由@:世界経済の不安定化
金の上昇トレンドの裏には、世界経済の減速がつきものです。特に、米国と中国との
貿易関係は世界経済に大きな影響を与えるものであり、この二国間の貿易関係が
戦争状態となっている今、更なる景気減速が予想されています。
また2月には、中国武漢を発端とする新型コロナウィルスによる肺炎感染拡大により
世界経済への打撃が予想されます。
理由A:国際関係の緊張
トランプ政権による各国に対する圧力が増してきました。中東や中国に対する
経済制裁だけでなく、日本や欧州の国々に対しても圧力をかけ始めています。
半導体材料の輸出規制を発端とした日本と韓国との貿易摩擦も存在し、
日本と韓国の国際関係の修復もまだまだ時間がかかりそうです。
理由B:国政の不安定化
北朝鮮とアメリカ間の非核化交渉の決裂、アメリカのイラン核合意からの離脱、
今なお続いてる香港デモなど、世界各地で国政の不安定化が見られます。
また、忘れがちですが、北朝鮮のミサイル発射実験も見過ごせません。
1月に入り米国トランプ大統領の指示のもと、空爆によりイラン司令官を殺害
したことにより、中東情勢は更に悪化しています。今後、世界経済はますます混沌の
道を進むのでしょうか。
2: 2020年度は金の売り時か?
さて、改めて「2020年度は金の売却タイミングとしてどうか?」という疑問に対し、
当サイトなりの回答を提示しておきたいと思います。
2.1 2020年度は「ベター」な売却タイミング
約40年ぶりと言う歴史的な上昇を記録している金相場ですが、今後さらに上昇
する可能性を加味したとしても、2020年は金の売却時期としては、決して悪くない
「ベター」な時期だと言えそうです。
その理由は、大きく3つあります。
理由@:40年ぶりの高値
改めて言うまでもなく、2020年に入り金相場は40年ぶりの高価格水準に突入
しました。この状況に伴い、金の売却を考えていた個人が、続々と貴金属業者へ
持ち込んでいます。インゴット100gを毎年数個ずつ計画的に処分開始していくので
あれば、2020年は分割・売却の時期としては「ベター」と言えるでしょう。
理由:A増税に伴う売却額UP
2019年10月1日に消費税が8%から10%へ引き上げられたことによって、増税前の
8%(あるいは5%や3%)に金を購入していた方にとっては、売却時の受取額が
増税分増えるというメリットが発生することになりました。例えば、消費税8%の時には
1gあたり4,000円では税込みで4,320円。消費税10%の時に1gあたり4,000円では
税込みで4,400円でその差額は80円。つまり、もし100gの金を売却すると、8,000円
の差額分多く受け取ることができる訳です。
理由B:買取業者の成熟
ひと昔前までは、個人向けの貴金属買取業者には怪しい業者も多く、安易に選ぶ
ことは難しい時代がありました。しかし、インターネットやSNSの普及によって、口コミで
すぐに評判が拡散されてしまう時代になった為、悪質業者は自然淘汰されており、
信用のおける優良業者が残るようになりました。ですから、名の知れている買取業者
で金を売却すれば、騙される可能性は極めて少ないといえます。
2.2 インゴット売却を検討中の方
実物資産として人気のあるインゴットですが、金価格がピークに到達しつつある現在、
いつでも売却できる準備をしておきたいものです。
ただ、1キロや500グラムのインゴットを売却する場合、いっぺんに売却してしまうと
基礎控除枠を超えてしまい、高額な税金が課されるなどの注意点があります。
ですから、余計な課税を避ける為にも、100gのインゴットバーに一旦小分け加工し、
毎年数個ずつ売却するのが賢い選択です。
ちなみに、インゴットの分割・加工は、貴金属業者によって手数料や納品ブランドが
異なりますので、慎重に選ぶことを推奨します。加えて、一般利用者は利用できる
貴金属加工業者も限定されてきますので、値段や実績を比較するとよいでしょう。
インゴットの分割・加工が既に済んでおり、100gバーの状態で所有している方は、
いよいよ売却です。しかし、インゴットの買取グラム単価は、貴金属業者によって
1グラムにつき数十円〜数百円の差が生じます。
従って、100gバー1本を売却するだけでも業者によって数千円〜数万円の価格差が
生じますので、貴金属買取業者は比較検討し選ぶことを推奨します。
当サイトでは、貴金属買取業者ごとのインゴットのグラム単価を比較してますので
今まさに売却を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
2.3 18金ジュエリー売却を検討中の方
インゴット同様に、喜平ネックレスやゴールドリング等の18金ジュエリー売却を検討中の
方にとっても、2019年度は恵まれたタイミングと言えます。18金ジュエリーの買取価格も
業者のグラム単価によって変動しますので、高価買取を狙うのであれば、可能な限り
グラム単価の高い業者を選ぶことが重要です。
3: インゴットの売却に備える!
純金バー(1キログラム)を購入した方は、それをそのまま売却すると基礎控除額を上回り、追加で税金を支払うハメになってしまいます。また、税務署への支払調書やマイナンバーの提出など面倒な作業も発生するので、純金バー(1キログラム)は一度100g×10コに分割加工し、売却利益が50万円以内(特別控除内)となるように、毎年数個単位で行うと税金もかからず税務署への申告もなくなりオススメです。
3.1 インゴットの分割は早めに行う
今すぐに売らないとしても、1キログラムの純金バーを100g×10コに小分け加工する作業は早めに行っておきましょう。仮に10分割した100gインゴットを特別控除内に収まるように、毎年2コずつ売るとしても5年かかります。金価格が今後も高値をキープしているとは限りませんので、いつでも売れる準備だけはしておきましょう。
3.2 田中貴金属では分割できない!
インゴットの分割・加工を行っている業者は大きく2タイプに分類されます。1つは、自社の工場で精錬・加工までを行っており、精製した純金バーにはその企業のロゴが刻印されます。例えば、大手では日本マテリアル、三菱マテリアルなどが該当します。
もう1つは、インゴットの分割・加工の仲介業者です。こちらは、顧客から純金バーを一度預かり、提携しているメーカーの工場で分割・加工するケースとなります。例えば、リファスタやG&Pバンクなどが該当します。どちらもメリット&デメリットがありますので、それらを確認してから依頼先を決めるのが良いでしょう。
ちなみに、貴金属の取り扱い老舗の田中貴金属では、分割サービスが2012年で終了しており、現在は貴金属ジュエリーとの等価交換のみ対応していますので注意しましょう!
4: まとめ
いかがでしたでしょうか。
株や貴金属等の金融資産の売却時期は、個人の意思が最も重要だと考えます。
これまで売却タイミングを逃してきた方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。